山林竹田更良記

思いつきを。

消えてしまうもののために

 美しいものを見ると心が洗われる。ただただ美しいものを眺め、情動を楽しむ。強く求めてはいけない。注目は全体を遠ざけ、美しさへの執着は空の心を生む。見てはいけない。

 ちっぽけな自分は存在し、美しく思え、目が離せないでいる。未開な何か、透き通るものが体を満たす。何も、はっきりしたもの、大きな転換などない。だが、それでよいのだ。このひとときの感傷のために、生きる。やがて失せる自分という存在、そのために。

 

そんなわけがあるか。腹は満たされない…