山林竹田更良記

思いつきを。

あかぐろ

見ろ、赤黒い血の空だ!幻想がやってくるぞ、ガスは止めたっけな。チャリに乗って出かけよう、夕飯はもういらない。どこか遠くへ、知らないところへ行こう。革サドルは馴染まず、痛いままだけれど。探しものは頭の中にあって、どこに行っても見つからないのだ。触れられないもの、手は届かないもの、求めても決してそのままでありえず、現実が丸めて飲みこんでしまう。気づけ、見えないのか。あるだろうここに、それが。無視できるのか?それとも、あきらめたのか…。あるいは求めていないのか。いいや僕は子供だ。絵本の中にいる。燃やせ。赤く燃やせ。そうだ、赤黒いのは消えた幻だ。憎しみだ。夢を見せたのか?