絵画世界
いやあ、愉快愉快!
彼はニッコリしてふたつえくぼ。
めんたまをぐるぐる。
いやあ、愉快愉快!
僕もニッコリしてひとつえくぼ。
めんたまをぐるぐる。
絵の中の僕らは、客を驚かす。
おや!目の向きが変わった!
ちょっとちょっと、手が開いたよ!
絵にとらわれて動けないまま、僕らはその日暮らし。
表現しきれず言葉はなくて、朽ちるその日を待っている。
館長も知らない僕らの秘密。
作者さんだけは知っている。
やじろベェ
腕を切ったり薬を飲んだりできることはたくさんあるけどそれはひまつぶし。何もない苦痛から逃げられるから最高だ。あるいは作業。無心と快楽が得られるものだ。あるいは生き甲斐とも言えるだろうか?どちらも私とは無縁なものだ。中庸の苦しみは半殺し、やじろべえの気持ち。こくりこくりと揺れながら心が落ち窪んでゆくものだ。いっそ落ちたい、片腕を失うとも。そうも思い切れない悲しいところにあるのだ。ただただ、片腕が落とされるのを待ちわびる日々。八方塞がりここに極まれり。
無視できない存在
都会と田舎のなんと違うことだろう。
ああ疎ましくて仕方がない。あなたとわたしの間の相克。君がどうかは知らないが、僕は気にして、神経をいちいちすり減らしているのだ。何十何百のあなたとの相克。散り散りになって途方にくれてしまう私は過敏か?お前のことだぞ、虫!